バレエ衣装の模倣や盗作について思うこと

query_builder 2024/06/10
ブログ

バレエ衣装作家として、時々見かける同業者さんの模倣や盗作をやめてほしいという書き込みの記事。(私に対してではないですよ笑)

私自身衣装作家として数々の作品を模倣・盗作されてきました。

私自身は個性派の衣装作家なので、珍しい衣装を沢山作ってきましたが、それを模倣されたからといって一度も訴えてやろうとか、私が先に作ったなどを世間に伝えようと思ったことはありません。

そもそもバレエ衣装は古い時代から存在していて、役柄や設定に縛りがあるのだから、ある程度にているというのは仕方のないこと。

衣装自体の形も決まっているし、特に装飾の少ないものや、色に縛りのある衣装については似てくるのも頷けます。そんな中でどうやって役柄を守りながら個性を生み出すかというのが衣装作家の腕なのですから、一つ一つの作品に思い入れがあり、楽して作った衣装など一着もないというのが衣装作家皆さんの意見だと思います。それを簡単に模倣されるというのは悲しい、悔しいというのも本当によくわかります。

勿論模倣や盗作は確かに良いとは言えませんが、一番良くないのは衣装作家が模倣や盗作について騒ぐこと。

お客様との綿密な打ち合わせのもと一定の制約の中で個性的なデザインを捻り出していることや、適した素材を集めるために途方もない時間や労力を割くことは何も特別なことではなく、衣装作家として当たり前のこと。模倣される・盗作されるのはその衣装が素晴らしいからであって、私は個性的なお衣装を求められるお客様には念のために模倣を禁止する文言はつけるけれど、素敵だからきっと流行りますよ、流行の最先端、流行らせたのは自分だと自信を持って衣装を着て欲しい、と、作る前から一言伝えます。流行りそうなデザインは作る前から感じるので、素敵なものは素敵ですから、真似したいと思われるから、それを完全に防ぐことはできないし、はやるという事は誇りに思ってほしいと伝えます。私がSNSに投稿する時期をずらしたりして一時的に盗作を防止できても、舞台に立つ以上、バレエは見せるものなのだから、数年後ほとんど同じデザインのお衣装を見かけたりもするし、バレエという独特の世界の中でそもそも盗作や模倣という概念が当てはまるのかもグレーです。衣装作家側も1着1着全てを商標登録だかなんだか、デザインをキープしているわけでもないでしょうし、盗作が法的に認められるのは本当に難しいのが現状です。模倣なんて言い出したら、古典のお衣装はほぼ模倣にあたるでしょうし、有名なバレエ団のあのダンサーが着ていた衣装が素敵だったからそんな衣装が着たい、ということが模倣になるのなら、模倣ではないお衣装はないのではないかなと思います。ほぼ同じで盗作ということもされたこともありますが、一箇所でも違えば法的には盗作は認められにくいのが現状。

私も沢山模倣されました。完全オリジナルで編み出した作り方の物を模倣され、あたかも自分が思いついたデザインのように書かれている衣装作家さんも見かけました。でも、私は面白かった。時系列を見れば誰が先かは一目瞭然だし、私より影響力もキャリアもある同業者さんが真似をして自分のアイデアだと言いたくなるほど素敵だったということだし、『それ、作り方わからなかったでしょう?大変だっただろうな。』と思います。聞いてくれたら教えたのに。とても素敵だから真似していい?ってフランクに言えない衣装作家同士のプライドも邪魔していますし、衣装作家のリテラシー、モラルが問われる部分です。

私のお客様は『これって真似されてますよね?Www』と良く教えてくれます。悔しくないのかと聞かれたこともありますが、私は悔しくはないかな・・・確かにお客様に模倣や盗作を防止できないことをきちんと説明できていなかった時はお客様に申し訳ないと感じ、なんとか模倣をやめてもらえないか、防止する術はないかと真剣に考えた時期もありましたが、私が出した答えは上記の通り、『誇りに思うことを伝える』こと。お客様にあらかじめ説明しておけば真似されても笑って報告してくれます。

『流行の最先端とったね!!やったね!!素敵に着こなしてくれてありがとうございました。』と喜びあったりします。

私は衣装作家さんの模倣・盗作に関する中傷記事を見るたびになんか気分が良くないです。勿論言いたくなる気持ちもわかるし、同じように模倣されたこともあるけど、なぜかそれを公の場に書くという行為が、お客様に作家の余裕のなさを見せているようで、衣装作家の品格を落とされているようで、その人の作品も余裕がないように見えてしまい余計に悲しくなります。一番良くないのは衣装作家自信に余裕がないことではないかな・・・と思います。バレエという世界に対する理解や、それぞれのお客様を全力で想いデザインを考えること、途方もない労力や時間を割くのは当たり前だと思って作るべきですし、それを易々と盗むような人が作る作品に原作と同じだけの魂はこもっていないでしょう。見た目は同じでも、そこに込めた想いは桁外れなはず。そこになぜ自信を、誇りを持てないのか。そこが一番の弱点だと思います。

お客様は衣装作家を信頼して任せてくださっているのだから、その信頼関係のもと、盗作や模倣に関する点についてもしっかりとお伝えしておけば、少なくともお客様を傷つけることにはなりません。

あとは衣装作家自信の問題なのだから。守るべきお客様を守れさえすれば自分が先だとか後だとか、それは世間が判断してくれますから、自分の感知することではないと思っています。

衣装作家の余裕は絶対的に必要です。

最近模倣盗作関連の記事を沢山見てしまい、なんだかいたたまれない気持ちになりました。

予防策として、真似できないほどのクオリティのものを作る、商法登録(?)をする、などまだまだ取りうる手段はあるし、そもそも何と戦っているのか。無限ではない時間や労力、完成、センスはそんなしょうもない盗作するような人に割かずに、大切なお客様に全力で向き合えるように心を穏やかに保つ。ただでさえ、素晴らしい衣装作家は魂削って、命削って衣装を作っているのだから。よそに割く労力は1分もないはず。精一杯やっていれば必ずお客様にもみんなにも作家の努力は伝わると信じています。

Ballet total produce 麗花烈花にはよそのお衣装の写真を持ち込まれることもありますが、私は完全に真似したり盗作はしない旨を伝え、その衣装のどこが好きなのかヒアリングしてお客様の希望に沿うようにアレンジをさせていただけるようにお願いしています。模倣・盗作したければ原作の作家に頼むように伝えます。模倣盗作をしないのは私のモラルでもあります。どうしてもこうしてほしいと言われて似ることはあるけれど、トータルとして変化を加えることでBallet total produce 麗花烈花らしく作り続けています。アレンジをするには知識と技術が必要です。私が常に戦っているのは自分自身だけ。技術を磨き、センスを磨き、材料を知り、知識を身につける。1分前の自分を超えることが私の戦いです。

かなり自分に対してストイックですが、その分仕事以外ではぼーっとしています😅


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Ballet total produce 麗花烈花

住所:京都府綴喜郡宇治田原町緑苑坂44-1

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