バレエの世界は本当に変わっているなといつも思います。
私はバレエ衣装作家であり、バレエ講師であり、ケアバレエヨガも行っているのですが、バレエママでもあり、大人リーナでもあり、子供の頃は生徒でもありました。
多角的にバレエの世界を見てきているので、普通の「先生」とは少し違う感覚でバレエを見ているのかもしれません。
私は人のバレエへの価値観を一切否定する気持ちがありません。
例えば私はバレエのコンクールは有意義なものだと思います。でも中には「芸術を評価するなんておかしい」とおっしゃる方もいます。
他にも、私は幼少期はロシアのメソッドで教わっていましたが、大人になってからはロイヤルメソッドの教室に所属していましたので、どちらがいいとか悪いとか全く思いません。どちらも素晴らしい。
ですが、自分のバレエへの価値観を否定されてしまうこともあります。
バレエを追求していく中で、自分の思う「バレエへの価値観」=「軸」がしっかりしていないと、「有名なあの人がこういったからこれが正しい」「でも別の有名な人はこう言っていた」と訳が分からなくなり、自分の軸を見失ってしまいます。
バレエは競技ではなく芸術ということは良く知られています。
同じ芸術であるピカソやモネの絵を「ピカソが正しくてモネが間違っている」なんて言えないし、絵の描き方に「正解」も「不正解」もないはずで、心のままに筆を動かしたはずなのに、なぜバレエにはポジションの「正解」や「不正解」があるのか不思議な話です。いちいち5番から始めるとか別に気にしなくても踊れそうなものです。
ですがそれは勘違い。バレエは絵画と違い、本来は集団で表現する芸術です。
集団で踊る上ではバランスもピルエットも100回やったら100回同じことができることが求められます。それをするには、まるで積み木のように自分の骨格や筋肉を下から上まで正確に積み上げ、寸分狂わぬコントロール力が必要とされるのです。
また、正確なポジションを取れないままでは身体の可動域にも制限がかかってきます。その制限を解除するためにも正確なポジションというものは欠かせないし、正しい筋肉の使い方やターンアウトも欠かせないのです。
コンクールにおける評価は「集団で表現するバレエという芸術を芸術たらしめるための個人の制限を解除できているか?」ということをわかりやすく評価してくれているのだと思っています。
何も芸術を評価しているのではなく、自分の可能性に蓋をしてしまっていないかを教えてくれるのです。
そう考えると、前述したコンクール賛成派もアンチ派も目的は同じはずです。
お互い否定する必要なんてないのに、この争いは結構多いです。
そして、ロイヤルメソッドもロシアメソッドもその基礎を築くためにそんざいしています。これも目的は同じ。なのに、この論争も多い。
どっちも素晴らしいと、お互いが認め合えない事こそが、一番芸術の妨げになっていると思うので、私は自由なバレエを大切にしています。
ただの趣味でも、本気でバレエがしたくても、どっちも素敵なんです。
私の軸は「バレエに対する価値観を否定しない事」です。
Ballet total produce 麗花烈花
住所:京都府綴喜郡宇治田原町緑苑坂44-1
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